山里のたより No.5
就労継続支援B型事業所「スマイルコーン」
今日は、節分。
スマイルコーンでも、恒例の豆まきをしました。「鬼は外、福は内」のかけ声もろとも、
お面をかぶった鬼に向かって、豆を投げました。利用者の皆さんは、気合いを込めて投げ続けたので、鬼は、たまらず逃げ出してしまいました。
利用者の皆さんの無病息災とスマイルコーンの家内安全を願っての年中行事ですが、豆をまいた後の仕上げとして、自分の年の数だけ豆を食べました。熟年の方にとっては、これがまた大変。根気の要る仕事となりました。
さて、鬼は外からやってくる厄難や病魔の象徴として追い払われますが、もうひとつの鬼、自分の心の内側に棲んでいる鬼も、退治しなければなりません。欲望や怠慢、心の病にも打ち勝たなければ、福はやってきません。日々の自分自身との闘いを思い浮かべながら、弱い自分に勝つ「克己」の気合いを込めて、利用者の皆さんは、今年の豆を投げたに違いありません。
ところで、先日、うれしい場面に出くわしました。
それは、初めてのお給料をもらう場面でした。年度の途中からスマイルコーンに入っていただいた利用者の方が、ようやくひと月間働いて、給料日を迎えられたところでした。何気なく感想を聞いたところ、「うれしい。少額であるかも知れませんが、私にとっては、初めての経験で、とても貴いことのように思えます。」との答えが返ってきました。働くことの確かな実感とその結果が報われるすばらしい瞬間でした。心に刻んでおきたい出来事でした。
このようなエピソードは、その人の多くの苦しみと涙の日々を経て、ようやく手に入れた「美しい果実」です。長いトンネルの中を歩き続け、思い悩んだあげく。縁あってスマイルコーンに辿りつき、自分自身の努力とまわりの仲間の励ましによって、手に入れた生活でした。謂わば、内なる鬼に勝ったのですから、節分の機会にあらためて紹介し、誉め讃えたいと思った次第です。